「昔の街並みはどんなだった?」「あの場所、震災前はどうだったんだろう?」——そんな疑問に答えてくれるのが、Googleマップの“過去ビュー”です。特定の場所に対して、過去に撮影されたストリートビューや地図データをさかのぼって見ることができ、個人的な記録から歴史的な研究まで幅広く活用されています。
この記事では、GoogleマップやGoogle Earthを活用して“昔の風景”を見る方法を丁寧に解説し、使いどころや注意点、学びや発見につながる実用的なヒントを紹介します。
「過去の地図」とは?何が見られるのか?
GoogleマップやGoogle Earthには、過去に撮影された航空写真やストリートビュー画像を保存・表示できる機能があります。これにより、ある場所の景観の変化や歴史的背景を視覚的にたどることができます。
見られる内容の例:
- 震災前後の都市の変化(例:東日本大震災)
- 再開発前の街並み
- 建物が建つ前の空き地状態
- 商店街の盛衰
- 自宅や母校の昔の姿
方法1:Googleマップで過去のストリートビューを見る
GoogleマップのPC版では、過去に撮影されたストリートビュー画像が残っている場合、それをさかのぼって見ることができます。
手順:
- https://maps.google.com を開く
- 見たい場所を検索 or ペグマンをドラッグしてストリートビューを起動
- 左上に表示される「時計アイコン(過去のイメージ)」をクリック
- スライダーで過去の撮影日を選択
- 選んだ時期の360度画像に切り替え可能
注意点:
- 過去画像があるのは一部の場所のみ(主要都市や幹線道路など)
- 撮影時期はランダムで、すべての年が見られるわけではない
方法2:Google Earth Proで航空写真を年代別に比較
Google Earth Pro(無料ソフト)を使えば、特定の地域における航空写真を年単位で比較することができます。こちらは地上ビューではなく、上空からの視点です。
インストールと起動:
- Google Earth ProをPCにインストール(https://www.google.com/earth/versions/#earth-pro)
- 起動後、検索バーで見たい場所を入力
過去の写真の見方:
- 画面上部の時計アイコンをクリック
- タイムスライダーが出現 → スライダーを動かして年代を切り替え
- その時代の航空写真が表示される
使用例:
- 工場や団地の建設前後の変遷
- 自然災害による地形の変化
- 農地開発や造成地の推移
活用シーン7選
1. 自宅や実家の変化を調べる
家の建て替えや周辺の景観の変化を可視化できます。家族との思い出話のネタにも。
2. 再開発エリアの変遷
都市開発が進むエリアで、以前どんな街並みだったかを調べることで、不動産購入や投資の参考資料になります。
3. 震災や自然災害の記録
東日本大震災や熊本地震、洪水などの前後の映像を比較すれば、災害の影響を視覚的に理解する資料としても有用です。
4. 学術研究や教育への応用
地理・歴史の授業で、都市の発展や地形の変化を学ぶ教材として使えます。過去の写真を組み合わせたスライド作成も可能。
5. ノスタルジックな記憶の再訪
昔住んでいた街や学校、通学路を見返すことで、懐かしい気持ちを呼び起こせます。記憶の記録ツールとしても活躍。
6. 写真と比較して映像記録を残す
過去のGoogle画像と現在のストリートビューを比較し、家族アルバムや記録資料としてまとめる活用法もあります。
7. 観光地の変化を知る
人気観光地がいつどのように整備されてきたかを比較し、時代ごとの“旅の風景”を振り返ることも可能です。
裏技&豆知識
今昔マップと組み合わせて使う
日本の都市の地形や地図の変遷を年代別に見られる「今昔マップ on the web」と連携して使うと、より詳細な歴史が追えます。
スクリーンショット+年号キャプションで記録
過去ビューをスクリーンショットで撮影し、年号と場所名を記録しておくと、後から比較がしやすく、オリジナルのデジタル地図帳として保存可能です。
Google Earthの「プロジェクト」機能を活用
Google Earth上で複数の過去画像や場所をまとめ、スライドショー形式で表示するプロジェクト作成も可能。発表資料や授業教材として活用できます。
注意点・制限事項
- 過去画像が存在しないエリアも多く、必ずしも全地域対応ではありません
- データは必ずしも毎年更新されているわけではなく、撮影の間隔は不定期です
- プライバシー配慮のため、一部画像は修正や削除されている可能性があります
よくある質問(FAQ)
Q. モバイル(スマホ)でも過去の地図は見られますか?
A. ストリートビューの過去画像表示は、PCブラウザのみ対応です。スマホ版Googleマップでは使用できません。
Q. 過去画像が表示されないのはなぜ?
A. その場所に複数回のストリートビュー撮影記録が存在しない可能性があります。または表示機能が制限されている場合もあります。
Q. ストリートビューと航空写真、どちらが詳細?
A. ストリートビューは地上の視点で詳細な建物や看板が見られます。航空写真は広域の地形や構造物の変化を見るのに適しています。
まとめ:過去の地図を知れば、街の「今」がもっと面白くなる
GoogleマップやGoogle Earthを使えば、かつての街並みや自然環境、再開発エリアの“ビフォー・アフター”を視覚的に体感できます。地図は現在だけを見るものではなく、過去をひもとき、未来を考えるツールにもなるのです。
何気ない日常の景色も、10年前と比べれば驚くほど変化しています。過去の画像を定期的に振り返ることで、街の移り変わりに気づいたり、思い出を鮮やかに再現できたりと、新たな発見が得られます。
ぜひこの記事の内容を参考に、自分だけの「時間旅行」に出かけてみてください。Googleマップは、あなたの記憶と世界をつなぐ、現代の“タイムマシン”です。