自分のクルマの能力、性能はだれでも気になるもの
パワー(馬力で表される出力のこと)やトルク(回転力のこと)などのスベック(諸元)は力タ口グなどに大々的に書いてあるからいやでもわかるが、どのギアで何キ口まで引っ張れるかという具体的なデータはベールに包まれていて、なかなかわからない。取扱い説明書にも載っていないし、セールスマンも教えてくれない。
ときどき雑誌の試乗記事で「2速で90キロまでOK」 といった断片的情報がもたらされるだけだ。
そこで、たいていの人は我流運転となり、クルマの能力を引き出せずに終わってしまうのである。
一走行性能曲線に注目しよう
しかし、クルマの性能がひと目でわかるデータは意外と身近なところにある。それは、カタログに掲載されている走行性能曲線だ。
カタログの隅っこのほうに、小さく記載されているこの線図は、実はデータの宝庫で、この表一つで各ギアの守備範囲から最高速度までわかってしまうのだ。
さて、その見方だが、まずは各ギアの守備範囲から。
これは簡単だ。
1速、2速などと書かれた右上りの直線を見ればいい。
そして、その直線の右上でとぎれているところが上限だ。
もし各ギアでの車速が知りたければ、グラフを真下にたどればいいし、そのときのエンジン回転数を見たいのならグラフの横軸をたどればすぐわかる。
最高速もすぐわかる。0%と書かれた右上がりの曲線(勾配がゼロ、つまり平坦路での走行抵抗を表す)と、山なみの稜線のような5速(4速の場合もある)の駆動力曲線の交わる点を見つけ出し、その下を見れば平坦路で無風時の最高速がわかる仕組みになっている。 最近の高性能車はたいてい180ギロ以上出るから、駆動力曲線はそこでとぎれているが、それまでの曲線を緩やかに右下がりに伸ばせば、だいたいの最高速はわかる。
以上のことを知ったうえで、エンジン性能曲線と組み合わせて考えてみるとおもしろい。
通常の走行で使うのはせいぜいエンジン回転数(1分間)が4000回転あたリまで。つねに5000回転も6000回転も回して走っている人はまずいない。
例えば最高出力75馬力のエンジンなら、4000回転では55馬力程度しか出ていない。3000回転なら40馬力ほどだ。しかし、トルクは4000回転あたりがもっとも数値が高く、エンジンが力強く回ることを表している。
このように、走行性能曲線は、クルマの性能や特徴を知る貴重な資料。もしカタログに載っていない場合でもディーラーなどにある詳細な資料には必ず掲載されているから、それを見せてもら、うといいだろう。
こういう情報も活用しよう!
愛車あるいはお目当てのクルマの能力、性格、特徴をより詳しく正確に知りたい場合に頼りになるのが、自動車雑誌の記事。 新車がデピューするたびに各誌とも競って試乗記事を掲載する。雑誌の記事で、まず役に立つ のは0→400m加速をはじめとする加速データ。特に0→40km/hと60→100km/hの加速タイムはそれぞれ一般路、高速進入時の加速力の目安を知るのに役立つ。スポーツカーの場合は、0→100km/hなどのデータも、 性能を知るたいせつな目安になる。最高速は実際に出すことはないから参考程度にする。
それよりも、100km/h走行時の騒音レペルに注目。車種によってかなり異なるが一般のクルマで70ホン(dB)、ハイオーナーカークラスては60数ホンなら平均的部類と見てよい。なお、テスト日時と天候にも注意。雨だと加速タイムは悪くなってしまうし、騒音も大きくなる。
記事ももちろん参考になるが、筆者のクセ、好みをよく知ることがたいせつ。より平均的な評価を知りたいのなら、同じ月の各誌を集め、それぞれの雑誌の評価を平均化すれば、まず当たり外れはないだろう。要は、過大評価も過小評価もせずに冷静に判断すること、これがもっともたいせつである。

