◆ 高齢者講習とは?目的と対象年齢をまず確認しよう
高齢者講習とは、70歳以上の方が運転免許を更新する際に受けなければならない法定の講習です。
年齢を重ねることで反応速度や判断力が衰える傾向があるため、交通事故のリスクを減らす目的で導入されました。
「高齢者講習」という名前から、厳しいテストを想像して不安になる方も多いかもしれません。
しかし実際は、「自分の運転を見直す」「知識をアップデートする」ことを目的としたサポート的な内容が中心です。
◆ 高齢者講習の対象者と種類
高齢者講習は、年齢によって受講内容が少し異なります。以下に整理してみましょう。
◎ 70歳〜74歳の方
・通常の「高齢者講習」のみ受講が必要です
・時間はおおむね2〜3時間程度
・事前にハガキで案内が届きます
◎ 75歳以上の方
・免許更新の際に「認知機能検査」の受検が義務化
・検査結果によって「高度な講習」や「講習免除」が判断されます
・一部の結果では、医師の診断が必要なケースもあります
◆ 講習の内容を詳しく解説!実際にどんなことをする?
講習内容は複数のパートに分かれており、運転技術の確認だけでなく、知識の振り返りや座学も含まれています。
◎ ① 座学(講義)
・最新の交通法規の説明
・加齢による身体の変化と運転への影響について
・事故事例や注意点の紹介
座学は講師がスライドや資料を使って進行します。受講者に問いかける場面もありますが、あくまで理解を深めるための内容で、試験ではありません。
◎ ② 運転適性検査
・視力・動体視力・視野の確認
・反応時間のチェック(光や音に対する反応)
これらはシミュレーターや専用機器を使用して行われ、普段の生活では気づきにくい反応速度や視覚の衰えを知ることができます。
◎ ③ 実車運転(または模擬運転)
・教習車での簡単な運転(施設内コース)
・右左折、信号停止、歩行者への対応などの確認
・特に危険回避や安全確認の習慣があるかが見られます
あくまで診断的な位置づけで、合否を判定するような厳密なテストではありません。講師が講評してくれるため、自分の運転傾向を客観的に把握できます。
◆ 講習の流れと当日の持ち物
高齢者講習は、基本的に次のような流れで進行します。
【ステップ1】 受付
【ステップ2】 認知機能検査(75歳以上)または本人確認
【ステップ3】 講義(座学)
【ステップ4】 適性検査
【ステップ5】 実車講習
【ステップ6】 結果・講評の説明、修了証の交付
◎ 持ち物チェックリスト
・運転免許証
・講習通知のハガキ
・眼鏡や補聴器(必要な方)
・筆記用具(念のため)
・講習料(数千円。地域や内容により異なる)
◆ 高齢者講習の予約と日程の注意点
講習は指定された自動車学校などで実施されますが、地域によっては予約が取りづらい場合もあります。
特に75歳以上の方の認知機能検査は、早めの予約が重要です。
講習通知ハガキが届いたら、すぐに電話で予約を取るのがベストです。
◆ 高齢者講習の受講後に免許を更新する流れ
講習修了後は「修了証明書」が交付されます。これを免許更新手続きの際に提出すれば、通常通り更新が可能です。
ただし、認知機能検査で「記憶力・判断力が低下」とされた場合は、医師の診断や臨時適性検査を受ける必要があります。
その結果によっては、免許更新ができない可能性もあるため注意が必要です。
◆ 高齢者講習を受ける際のよくある不安と対策
Q1. 試験に落ちることはある?
高齢者講習そのものに「合否」はありません。講習を最後まで受ければ「修了」となります。
ただし、75歳以上の認知機能検査において一定の基準を下回った場合は、追加対応が必要になるケースもあります。
Q2. 家族が付き添ってもいい?
ほとんどの施設で付き添いは可能ですが、受付の時点で付き添いの可否や待機場所について確認しましょう。
また、運転の不安が強い方は、講習前に家族と一緒に模擬運転の練習をしておくと安心です。
Q3. キャンセルや遅刻をしたらどうなる?
基本的に遅刻やキャンセルの場合は、再予約が必要です。
自動車学校によってはキャンセル料がかかることもあるため、前日までに連絡を入れるのがマナーです。
◆ 講習を前向きにとらえることが大切
高齢者講習は、「落とすため」のものではなく、「安全運転を続けるためのサポート」の一環です。
受講をきっかけに、運転に対する不安を減らしたり、自分の身体機能の変化を把握したりすることで、より安全に運転を続けることができます。
◆ まとめ:高齢者講習の内容を正しく理解して不安を減らそう
・高齢者講習は70歳以上の方が対象
・75歳以上は認知機能検査も必須
・座学・適性検査・運転講習が主な内容
・合否はなく、講習を受ければ修了できる
・事前の準備と予約が重要
不安を感じている方ほど、実際に内容を知ることで気持ちが軽くなります。
家族や周囲と連携しながら、落ち着いて準備を進めましょう。