
AT車の乗用車全体に占める割合は、年を追うごとに上がるばかり。特に2000ccクラスのハイオーナーカーになると、MT仕様車を見つけるのが困難といえるほどだ。
これほどAT車の人気が高いのは、AT車に特有のイージードライブ性のほか、フィーリングに高級感がある、MT車との動力性能の差がなくなった、などの理由によるものだが、その反面、マスコミをにぎわしたように、急発進事故を代表とするAT車ならではの事故が起こっているのも事実である。
ここでは、AT車を使いこなすうえでのテクニック、注意点について考えてみよう。
ブレーキを解除してからの発進が原則
AT車の事故は発進時に多く発生している。これを防止するためには、次の手順を確実に踏むことがたいせつだ。1.セレクトレバーがPレンジにあることを確認する
2.フットブレーキを踏む
3.エンジンを始動する
4.セレクトレバ ーをDレンジに入れる
5.サイドブレー キを解除する
6.フットブレーキを解除して発進
よくあるのは、ブレーキをすべて解除しておいてからセレクトレバーをDレンジに入れるケース。万一、エンジン回転が高くなっていたら、急発進してしまう。
つまり、AT車ではセレクトレバーをDレンジに入れてスタートするのではなく、クリープ現象で前進しようとするクルマを、ブレーキを解除しその力を解き放ってやるということになる。
この方法に徹すれば、停止状態からクルマが動き出すまでに緩やかに駆動力がかかるので、急発進はまず起こらないし、起こったとしても、すぐにブレーキで抑え込める。
クリープ現象をうまく使うと便利なのも、AT車の特徴。渋滞路でのノロノロ運転、車庫入れなどでは、抜群の威力を発揮するのはよく知られているとおりだ。
マニュアルシフトも積極的に
ただし、AT車は下り坂に弱い。特に急な下り坂ではスピードが高まるにつれ、AT車は自動的にギアが高いほうにシフトされるから、ますますスピードが出てしまう。そこで、下り坂では、積極的にマニュアルシフトで2レンジに入れて走りたい。そのほか、電子制御ATの走行モード切り替えやOD(オーバードライブ)のオン/オフなど、AT車ならではの走行モードの切り替えをどしどし使ってみることも、うまく使いこなすコツ。
AT車はかなり酷な使い方をしても、壊れるものではない。いろいろな使い方をして、フィーリングに合った操作法を探し出してみるべきだ。

